ハンク・アーロン氏の叙勲伝達式
平成27年秋の叙勲で旭日小綬章を受章した元プロ野球選手、ハンク・アーロン氏の叙勲伝達式が14日、在アトランタ日本国総領事公邸で行われました。世界少年野球大会創設者兼名誉理事としてアーロン氏が野球を通じて青少年交流及び日本・アメリカ合衆国間の友好親善の促進に貢献したことが評価されました。
冒頭の祝辞で篠塚隆在アトランタ日本国総領事は、「アーロン氏は、日本のホームラン王、王貞治氏とともに日本とアメリカをはじめとする世界の子どもたちが野球について学び、文化を分かち合う場を創設し、大きな成功を収めてきました。日本にとって、アーロン氏のような友人を持つことはとても光栄なことです」と述べ、「私自身、アーロン氏と王氏という2人のスーパーヒーローに憧れた世代。叙勲を伝達することができるのを誇りに思います」とアーロン氏の受章を祝いました。
旭日小綬章と勲記を授与されたアーロン氏は、「日本に招かれて、王貞治さんとホームラン競争で競い合って以来、王さんと一緒に子どものために何ができるか考え、25年間、日米を行き来しながら、子どもたちと野球を続けてきました。世界少年野球大会で私たちが目指したのは子どもたちがペンパルになってくれることです。子どもたちがお互いに手紙を書いたり、交流を深めたりできるように力を尽くしてきたことが認められて大変うれしいです」と喜びを語りました。
式典には、ジョージア州選出のデイビッド・スコット米連邦下院議員が訪れ、「アーロン氏は世界中で愛されているが、ジョージア州の人々ほど、アーロン氏を愛し、また日本を愛している人々はいません。アーロン氏は755本のホームランを打ったという偉業を成し遂げただけでなく、野球を通じて、日本と米国をしっかりと結びつけました」と祝辞を述べ、アーロン氏の受章をともに喜びました。
王貞治氏はビデオメッセージで「ハンクさんのバッターとしての強烈さは、ファンの心と野球の歴史に刻まれています」と振り返りつつ、「長年、積み重ねてきた活動がこのように評価され、自分のこと以上にうれしい。これからもお互い体に気をつけて、世界に野球を広めるためにがんばりましょう」と語りました。
アトランタ・ブレーブスのデレク・シラー球団執行副社長による「カンパイ」の発声で、会場に集まったゲストとともに、日本酒で杯を上げました。