新年の挨拶(平成22年元旦)

あけましておめでとうございます。本年が
皆様にとりましても日本とアメリカにとりまし
ても良き年となることを願っています。
今年は万延元年(1860年)の遣米使節派遣
から150年になります。勝海舟や福沢諭吉を
乗せた咸臨丸と共に、日本の遣米使節団80人
以上が初めて太平洋を渡り、ハワイ、サンフラ
ンシスコ、ワシントン、ニューヨークを訪れました。
南北戦争前夜のことです。ちなみに、ペリー提
督率いる艦隊は、大西洋からアフリカ大陸南端
をぐるりと周り、インド洋からマラッカ海峡を通り、
香港、上海、琉球を経て1853年に浦賀に来て
います。まだスエズ運河(1869年開通)もパナマ
運河(1914年開通)もありませんでした。
NHKでは「坂の上の雲」や「龍馬伝」が放送されています。幕末から明治の激動の
時代を振り返り、覇気をもって先人達が切り開いてきた歴史に思いを馳せながら、
今後の日本の進路に思いをめぐらす人も多いのではないでしょうか。
昨年は、日本と米国双方で政権交代がありました。日米両国とも、新政権は前政権の
下で実施されてきたさまざまな政策を見直し、新たな政策を打ち出しています。こうした
政権交代や政策変更が起こるのは民意の反映であり、民主主義のもとでは当然のこと
です。しかし、これまで長年にわたり築かれてきた日米関係は広範で深いものです。両
国の新しい政権の下でも日米の友好関係は揺らぐことなく、さらに強化、深化されていく
ものと確信しています。
今日の日本と米国南東部地域との友好関係は、皆様の様々な分野でのご活躍・努
力の積み重ねに負うところ大であります。皆様には、引き続き日本と米国の友好関係を
強化していく上での架け橋として御活躍して頂くことを心から期待しております。その
ためにも、総領事館が皆様にとって、開かれた、役に立つ、そして困られたときに頼り
になる存在であるよう、さらに努力していきたいと思います。
在アトランタ日本国総領事 花谷卓治