ハリケーンや暴風雨による災害の発生に関する注意喚起
1 はじめに
(1) 米国東南部は,毎年11月まで,ハリケーン・シーズンとなっており,大雨による浸水や地滑り,暴風雨による建物の倒壊などの被害が報告されています。当地に滞在,渡航を予定されている方は,下記ウェブサイト等により,最新のハリケーン情報の入手に努め十分注意してください。
(2) 当地に滞在されている方や滞在を予定されている方は,災害に備え,懐中電灯や携帯用ラジオ,その他,家族が最低5日間は支援無しで生活できる程度の飲料水や食料の備蓄をお勧めします。また,家族や友人,職場等とは,緊急時の連絡先を共有し,予め避難場所を決めておく等,必要な場合は安全な場所に退避できるよう日ごろから対策を講じてください。
(3) 万一,災害に巻き込まれた場合は,州政府などの指示に従って安全確保に努め,ご自身の安全については,本邦の留守宅家族やご身内の方,職場,そして,当館へもご連絡下さい。当館では,災害発生時に必要に応じて在留届に基づく皆様の安否確認を行っています。在留届の提出に関するお問い合わせは,直接当館へご連絡,若しくは当館HPをご参照下さい。
2 ハリケーン対策
(1) 事前の対策
ア 備蓄品の確保「備蓄品リスト」参照。
イ 避難ルート,避難場所の事前の確認
ウ 貴重品の保管場所の再確認
~ 貴重品や重要書類は水害被害などに遭いにくい場所に保管
(2) ハリケーン等について注意警報が発せられた場合の措置
ア 情報の入手 ~ テレビやラジオ等で正確な情報を入手する。
イ 備蓄品(保存水や食料)の確認。飲料水は1人,1日,1ガロンが目安(備蓄品リスト参照)。停電に備え,冷蔵庫の開け閉め最小限にする。
ウ 生活用水(トイレ・風呂・洗濯)の確保 ~ バスタブなどに水道水を貯める。
エ 自宅周辺の確認 ~ 暴風に備えて植木鉢などを屋内に入れる。
オ 雨戸の活用,窓の補強(ベニヤ板使用)など。
カ 避難に備えて車のガソリンを満タンにする。
(3) 通過中
ア 屋外の安全な場所(窓やドアからなるべく離れ,窓などがない部屋(トイレ等)に待機。
イ 警報が解除されるまで屋内に待機 ~ 一時的に暴風雨が止まっても屋外に出ない。
ウ 停電時は,エアコン等電化製品のスイッチをOFFにする。
(4) 通過後
National Hurricane Centerからの警報解除「ALL Clear」の発表を待つ。
(5) その他,留意事項
ア ハリケーン通過後や洪水時は様々な危険が潜んでいます。不要不急の外出を控え,仮に外出する場合は,以下に留意してください。
・電線 ~ 水たまりに入らない。運転中も電線に注意する。切れた電線が落ちてきても止まらずに運転する。
・水路 ~ 増水で道路と水路の境がわかりづらくなります。道路中央を走行し,転落防止に努める。
・道路脇のフェンスや電柱 ~ フェンスや電柱の損壊も予測される。予測運転に心がける。
・身分証明書の携帯
3 参考
(1) ハリケーンの規模についての説明
米国では,ハリケーンの規模について,「熱帯性低気圧」から「猛烈なハリケーン(カテゴリー5)」までの7段階で表しています。
|
台風等の規模 |
風速(mile/h) |
風速(km/h) |
風速(m/s) |
|
トロピカル・ディプレッション |
熱帯性低気圧 |
20-38 |
32-61 |
9-17 |
|
トロピカル・ストーム |
台風(風速17.2m/s以上) |
39-73 |
63-117 |
18-33 |
|
ハリケーン・カテゴリー 1 |
強い台風(風速33m/s以上) |
74-95 |
119-153 |
33-43 |
|
ハリケーン・カテゴリー 2 |
非常に強い台風(風速45m/s以上) |
96-110 |
154-177 |
43-49 |
|
ハリケーン・カテゴリー 3 |
111-130 |
177-209 |
49-58 |
||
猛烈な台風(風速54m/s以上) |
|||||
ハリケーン・カテゴリー 4 |
131-155 |
211-249 |
59-69 |
|
|
ハリケーン・カテゴリー 5 |
156以上 |
251以上 |
70以上 |
|
(2) ハリケーンに関する語彙説明
Hurricane |
ハリケーン |
風速が74マイル(時速約119km)以上の暴風雨 |
Hurricane
Watch |
ハリケーン注意報 |
36時間以内に上陸する可能性がある場合に出る。すぐ避難できる準備をする。 |
Hurricane
Warning |
ハリケーン警報 |
24時間以内に上陸する可能性がある場合に出る。避難地区の住民は速やかに指定避難場所へ行く。 |
Tropical
Storm (TS) |
熱帯性暴風雨 |
風速が39マイル以上73マイル(時速約63km~117km)以下の暴風雨 |
Tropical
Storm Watch |
暴風雨注意報 |
36時間以内に暴風雨圏内に入る可能性がある場合に出る。 |
Tropical
Storm Warning |
暴風雨警報 |
24時間以内に暴風雨圏内に入る可能性がある場合に出る。 |
Tropical
Depression (TD) |
熱帯性低気圧 |
風速が20マイル以上39マイル(時速約32km~61km)未満の暴風雨 |
Tornado |
竜 巻 |
風速が40マイルから318マイル(時速約64km~512km)に達する竜巻。発生の予測は不可能なので非常に危険。近くで発生した場合は,出来るだけ窓がなく狭い場所に避難。 |
Tornado Watch |
竜巻注意報 |
トルネードが発生しやすい状態の時に発令される。 |
Tornado Warning |
竜巻警報 |
トルネードが発生した場合に発令される。 |
Storm
Surge |
高 波 |
ハリケーンによる高波が20フィート(約6メートル)を越えると,海岸沿いの住人は避難しなければならない。 |
Boil-Water-Order |
水道水使用禁止令 |
ハリケーンが通過後すぐに出る。これが出ると,最低72時間,水道を沸騰せずに使えない。 |
(3) 緊急避難キットの準備
食糧支援等を受けることができないことを想定(5日程度)して,以下の物品を簡単に持ち出せるよう日頃から整理しておくことをお勧めします。
□ 飲料水(1日1人あたり1ガロンが目安)
□ 保存食や缶切り,使い捨ての食器類(紙皿やフォーク等)
□ 着替え,合羽やポンチョ等の雨具(防寒具兼用)
□ 毛布,寝袋,使い捨てカイロ
□ 救急箱(カットバン,常備薬等)
□ 携帯ラジオ,懐中電灯,予備電池,ろうそく,マッチ・ライター
□ 現金(大規模災害の場合,ATMが使えない場合もある。)
□ 自宅と自動車の予備キー
□ 家族との緊急時の集合場所を記したメモや周辺地図
□ ホームドクターの連絡先
□ 家族全員の健康・医療情報(持病やアレルギーについては英訳も準備)
□ 旅券,写真付きID,保険証など重要書類のコピー
□ 警笛,ブザー
□ 石けん,歯ブラシ等の衛生管理用品
□ トイレットペーパー,キッチンペーパー
□ スニーカー等の丈夫で歩きやすい靴
□ 防塵マスク
□ 予備の眼鏡
□ 虫除けスプレー,
□ ヘルメット(あれば安心),ロープ,工具箱など
(4) 情報の入手先
○ 世界気象機関 : http://severe.worldweather.wmo.int/
○ ウエザ・チャンネル : http://www.weather.com/
○ 米国ナショナル・ハリケーン・センター : http://www.nhc.noaa.gov
○ 外務省海外安全ホームページ : http://www.anzen.mofa.go.jp/
在アトランタ日本国総領事館 Phipps Tower, Suite 850 Tel :
404-240-4300 Fax : 404-240-4311 HP : http://www.atlanta.us.emb-japan.go.jp/nihongo/index.html |