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「釜石の防災教育」


Evacuation
2011年3月11日
大震災の避難
東日本大震災の津波による死者・行方不明者が1,000人を超す釜石市で,小中学生は2,911人が津波から逃れた。下校後や欠席などで学校にいなかった生徒のうち5人は犠牲となったが,ほとんどの生徒が避難し助かった。

釜石市教育委員会は,2004年から,群馬大学の片田敏孝教授の指導を受け,教師や児童生徒の意識改革に努めてきた。しかし,2006年の千島列島沖地震の際の避難率が10%未満だったことから,各学校では,子ども達の登下校時の避難計画を見直し,また津波の脅威を学ぶための授業を含め,年間10時間程度を防災教育に充てることとした。2010年3月には,教師が手がけた「津波防災教育のための手引き」が完成し,14の小中学校全てで防災教育に取り入れた。片田教授は,こうした防災教育の中で,津波避難の3原則「想定にとらわれるな」,「最善を尽くせ」,「率先避難者たれ」,を強く訴えてきた。
 
こうした教えが生かされ,釜石東中の生徒達は,地震後,「津波が来るぞ」と叫びながら避難場所へ走った。隣接する鵜住居小では,地震では建物自体は被害がなく,浸水想定区域外だったため,児童は校舎の3階に集まっていた。しかし,避難する釜石東中の生徒を見た教師たちの判断で学校から避難した。こうして約600人の生徒は,700メートル先にある予め決めていた避難場所であるグループホームまで避難したが,ここで裏の崖が崩れているのを目撃した地元の方のアドバイスもあり,危険を感じてさらに約500メートル先の高台にある介護福祉施設を目指し,中学生は小学生と手をつないで逃げた。津波の勢いを見た生徒は,介護福祉施設からさらに高台へと避難した。中学生は園児や,介護施設のお年寄りにも手を貸した。津波は介護福祉施設の直前まで迫った。

市内では,既に9割以上の児童が下校していた釜石小学校も,児童全員が無事だった。祖母と自宅にいた児童は,祖母を介助しながら避難し,指定避難所の公園にいた児童は津波の勢いの強さを見てさらに高台に避難するなど,「避難3原則」が生かされていた。釜石の事例を今後の防災教育に生かそうと,釜石市には日本各地から問い合わせがなされている。
Evacuation Training
生徒たちの避難訓練

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