テロ攻撃に対する準備と対策
The U.S.
Department of Homeland Security(米国土安全保障省)のweb-siteの要旨を日本語訳しました。
生物、化学、核、放射線などを利用したテロ攻撃が懸念されるなか、私たちは、テロ攻撃に対する防衛措置を日頃から講じておく必要があります。
非常用のために用意しておくべきもの
非常時に備え、生存に必要な基本的なものは何かを考えましょう。それは、水、食料、きれいな空気、暖かさを保つことです。
水
n 飲料と衛生保持のために、1人1日1ガロン(3.785リットル)必要です。
n 子供、妊婦、病気の人などは、より多くの水が必要です。
n 暖かい地域に住んでいる人も、より多くの水が必要です。
n 水は、プラスチック製で口がしっかりと閉まる清潔な容器に保存しましょう。
n 1人につき最低3日分の水を用意しましょう。
食料
n 最低3日分の保存食を準備しましょう。
n 冷凍不要、調理不要、水不要(必要でも少量)の食品を準備しましょう。
n 缶切り、食べるために必要な道具(ナイフ、フォーク、スプーンなど)を用意しましょう。
n 家族が食べる食品を選びましょう。
Ø 開ければ食べられる缶詰の肉、果物、野菜
Ø プロテイン又はフルーツ・バー
Ø シリアル又はグラノーラ
Ø 乾燥果実類
Ø ナッツ類
Ø クラッカー類
Ø 缶詰のジュース
Ø 低温殺菌済みの保存のきくミルク
Ø ハイ・エネルギー・フード類
Ø ビタミン剤
Ø 幼児用の食料
Ø ストレス時などに食べると気が落ち着くような食品類(個人的に選ぶ)
きれいな空気
テロ攻撃により、健康を害する微少な物質が空気中に放出されることが考えられます。汚染された空気や物体から自分を隔離する方法を考えましょう。
鼻と口の防御:
マスクや織り方が密な綿の布などを使用し、鼻と口がしっかり覆われるようにします。
非常時には、身近にある物で(密に織った綿の布/Tシャツなど)口と鼻をしっかり覆うことによって、汚染された空気を濾過することができます。
すべての状況に当てはまる完全なマスクはありません。例えば布製のマスクは、微少な物質や細菌をある程度濾過することは出来ますが、化学兵器によるガスなどには効果がありません。しかしながら、何もしないよりはましです。
その他の防御法:
n 丈夫なプラスチック製のゴミ袋またはプラスチックのシート
n ダクト・テープ
n はさみ
汚染された外気から身を守るために、屋内に避難場所をもうける(Shelter-in-place)ことは重要なことです。上記の材料を使い窓やドア、換気口を密封することによって汚染された外気を遮断するができます。
HEPA(High Efficiency Particulate Air
Filtration) Filter Fans / 高性能な空気清浄機:
プラスチック・シートやダクト・テープを使用して避難部屋を外気から遮断することは、外の汚染物の侵入を防ぐために効果的です。しかし完全に遮断することは困難です。
屋内避難場所から汚染物質を除去するために、HEPAフィルター(濾過装置)を備えたポータブル空気清浄機を置くことを考えましょう。HEPAフィルターは非常に性能が良く、空気中のある程度の細菌や極小微粒子を捕らえます。煙、細菌や他の汚染物を捕らえることは出来ますが、化学ガスなどには効果がありません。
救急必需用品
n ラテックス又は他の殺菌済手袋(ラテックスに過敏症の方用)を2組
n 止血用の殺菌済包帯やガーゼ
n 洗浄剤/消毒用石鹸や抗生剤
n 感染による化膿予防軟膏
n
やけどによる化膿予防軟膏
n いろいろなサイズのバンドエイド
n 眼洗浄液
n 体温計
n 処方箋医薬品/心臓病の薬や、インスリン、喘息インヘイラーなど毎日必要な物。これらの薬は時々期限切れの確認をし、常に更新しておくことが必要です。
n 処方箋医療器具/血糖値や血圧を測定する器具など。
n 常備薬
Ø ヨウ化カリウム(核爆弾の章を参照)
Ø アスピリン又は非ピリン系の鎮痛剤
Ø 下痢止め
Ø 整腸剤
Ø Ipecac/毒物を飲み込んだりした時に、嘔吐を促す薬品
Ø 緩下剤
Ø 活性炭素/毒物制御センターから指示があった場合に使用する
用意しておくと便利な物
n 携帯電話
n はさみ
n とげ抜き
n ワセリンなどの潤滑剤
n 懐中電灯と電池
n 電池式ラジオ
n 避難所の場所や、そこへの道順を示す地図
n ホイッスル
n 湿ったタオル(湿った簡易紙タオルのような物)
n 非常事態手引き書(例えばこの情報を印刷した物)
n 食べる時に必要な物:紙コップ、紙のお皿、プラスチックのナイフ、フォーク、スプーンなど
n 現金又はトラベラーズ・チェック、小銭
n 手動式の缶切り、ユーティリティー・ナイフ
n ペーパー・タオル
n 消火器:小さい物、ABCタイプ
n テント
n ペンチ
n コンパス(羅針盤)
n 防水容器に入ったマッチ
n アルミホイル
n プラスチック容器
n 発光信号
n 筆記用具
n 薬品用点滴器
n レンチ(ガスや水道を止める際に使用する)
衛生用品
n トイレット・ペーパー、ペーパー・タオル
n 生理用品
n 個人衛生用品(歯ブラシその他)
n プラスチックのゴミ袋と閉じ紐(個人衛生用)
n 密閉出来る蓋のついたプラスチックのバケツ
n 消毒剤
n 家庭用漂白剤
漂白剤は消毒剤として使用できます(水9に対し漂白剤1の割合で薄めた溶液を使用する)。また非常時には、1ガロン(3.785リットル)の水に対し、約16滴の漂白剤を入れることによって水を浄化することができます。香りをつけた物、色物用、洗浄力を付加した漂白剤は使用しないでください。
重要書類
保険契約書や各証明書等の重要書類は、コピーを作り防水性の容器に保管しましょう。
衣類と寝具
特に寒い地方に住んでいる人は、「暖かさ」を考える必要があります。停電などで暖房が利かなくなる可能性があります。備品として用意してある衣類や寝具は、子供の成長や家族構成の変化などを考え、1年に1度はチェックしましょう。
n 上着又はコート
n 長ズボン
n 長袖シャツ
n 安定性のある靴
n 帽子と手袋
n 寝袋または毛布などを1人1枚
特殊備蓄品
家族一人ひとりに必要な特殊備蓄品も忘れずに用意しましょう。乳児、お年寄り、身体障害者の方は、それぞれのニーズに合ったものを準備することが必要です。
乳児用:
n 乳児用食料
n おむつ
n ほ乳瓶
n 粉ミルク
n 薬
n 湿ったタオル
n おむつかぶれ用軟膏
大人用:
n 主治医の処方による、心臓や血圧の薬、インスリンなどの処方箋薬品
n 入れ歯及び必要な付属物
n コンタクト・レンズ及び必要な付属物
n 眼鏡
高齢者:
n どのように避難するか、又は、助けを求めるかの計画をたてておきましょう。
n 家庭介護会社や介護人と非常時の措置を計画しておきましょう。
n 非常時備蓄品の保存場所を他の人にも知らせておきましょう。
n 必要な医療器具、道具の操作の仕方を他の人にも教えておきましょう。
n それぞれの器具、道具にラベルを貼っておきましょう。
n 高齢者に必要な特別備蓄品:
Ø 処方箋薬品のリストと服用説明及び薬品アレルギーのメモ
Ø 眼鏡と補聴器の電池
Ø 車椅子用のバッテリーなど、非常時備蓄品リストにある器具、機械のバッテリー
Ø ペースメーカーなどの医療装置の型や通し番号
Ø 医療保険契約書や保険証
Ø 掛かり付けの医者のリストと非常時連絡先リスト
身体障害者:
n 非常時のサポート・ネットワークを作りましょう。
n サポート・ネットワークの人たちに非常時備蓄品の保管場所を教えておきましょう。
n サポート・ネットワークの中から1人選び、住んでいる家またはアパートの鍵を渡しておきましょう。
n 市、又は郡などの多くの地方自治体は、非常時に備えその地域に住む身体障害者のリストを作成している場合があるので連絡をしておきましょう。
n メディカル・アラート・タッグや腕輪を着け、自分には何の障害があるのかが分かるようにしておきましょう。
n 透析や他の生命維持治療が必要な人は一カ所以上の治療所を把握しておきましょう。
n 他の人に車椅子の操作を教えておきましょう。
n 車椅子を移動しなければならない時のために、重さや大きさまた折り畳み式かどうかを把握しておきましょう。
n 身体障害者のための特別備蓄品:
Ø 処方箋薬品のリストと服用説明及び薬品アレルギーのメモ
Ø 眼鏡と補聴器の電池
Ø 車椅子のバッテリー、酸素ボンベ
Ø 医療装置の型や通し番号
Ø 医療保険契約書や保険証
Ø 掛かり付けの医者のリストと非常時連絡先リスト
避難計画(非常対策案)の作成
非常時にはどうするかという計画を事前に立てておき、それぞれの状況下で自分と家族を守れるように心がけましょう。
家庭用非常時対策案の作成
非常事態が発生したときには家族が離ればなれになる可能性がありますので、お互いとどのように連絡を取り合うかなど、様々な事態を想定して対策案を作成しておきましょう。
n 非常事態が発生した場合は、近隣へ電話をかけるより市街へかけた方が通じる場合もあるので、市街に住む人を連絡先と決めておくのも良い。
n 家族全員に非常時連絡先の電話番号を教えておく。電話用のコインやテレホン・カードを持たせる。(又は携帯電話を持たせる)
n 電話がなかなか通じなかったり、不通になったりする場合もあるでしょうが、辛抱強く待ちましょう。
非常事態発生警告:
自分の周りでは、どのような非常事態が発生する可能性が高いか、また非常事態発生の警告はどこから来るのかを調べておきましょう。地域によって異なりますが、一般的な警告方はラジオやテレビの非常事態発生警告放送です。
避難すべきか、又は、留まるべきかの決定:
非常事態発生時の状態により異なりますが、避難すべきか留まるべきかという決定を最初にしなくてはなりません。どちらにでも決定出来るような計画を立てておく必要があります。その時に得られる最新情報と常識を元に、危険が差し迫って入るかどうかの状況判断をしましょう。地方自治体は、非常事態において今何が起こっているか、何をどうしたら良いか、という最新情報提供や案内をすぐ出来るとは限りません。しかし、テレビを観たり、ラジオを聴くことによって情報を収集したり、正式な警告や何をすべきかなどの指示を得ることができます。避難や治療を勧告された場合は速やかに指示に従いましょう。
留まることを決めた場合:
非常事態が発生した場合は、避難するよりもその場に留まった方が無難な場合があります。提供された情報から状況判断をしましょう。大気中に大量の汚染物を確認した場合や、空気が汚染されているという公式な情報を得た場合は以下の行動をとりましょう。
n 家族全員とペットを屋内に入れる。
n ドアは施錠し、窓、換気口、暖炉の換気口はすべて閉じる。
n 冷暖房などのすべての空調施設を止める。
n 汚染されていないことが確実な非常用備蓄品一式を用意する。
n 可能な限り、屋内の中心部で窓の一番少ない部屋を選ぶ。
n プラスチック・シートとダクト・テープでドア、窓、換気口を塞ぎます。
n 身近にある物を利用して隙間を塞ぎ、外の汚染物質から自分を守れるようにする。
n 地方機関は何が起こってどうすれば良いかという情報を直ちに皆さんに伝えられないこともありますから、テレビを観たり、ラジオを聴いたり、インターネットを利用したりして、最新の情報や指示を得るようにしましょう。
避難する場合:
非常事態が発生した際には、避難するように指示される場合があります。その際はどこで家族と合流するかまた何処へ行くかを決めておきましょう。非常時の種類に合わせ、違う方角にいくつかの避難場所を決めておきましょう。
n 家のすぐ近くと離れた所の両方の集合場所を指定しておく。
n 自動車を持っている人は、避難しなければならないことを念頭に置き、ガソリンは常に半分満タンにしておく。
n 自分が住んでいる地域からの主道以外の避難ルートや、自分の車以外の交通手段を考えておく。
n 自動車を持っていない人は、避難交通手段を考えておく。
n 汚染されていないことを確認の上、非常用備蓄品一式を持って避難する。
n 避難するときはドアの施錠を忘れずにする。
n ペットを忘れずに連れて行く。しかし、公共の避難所では、盲導犬など人の手助けになる動物以外は持ち込み禁止が考えられますので、非常時のペットの取扱いを計画しておく。
時間に余裕があったら:
Ø 家庭用非常時対策案で決めた遠隔地に住む知人への連絡先に、これから何処に避難するかを知らせる。
Ø 家屋に被害があり、電気、ガス、水道を止めるようにとの指示があった場合は止めてからから避難する。
Ø 他の人のために、何処へ何時避難したかというメモを残す。
Ø 隣人をチェックし、相乗りする必要があるかどうかを確かめる。
電気、ガス、水道を何時どのように止めるかを習得する:
n 元栓がどこにあるのかを確かめておく。
n ガスと水道の元栓の所に止めるのに必要な道具を用意しておく。
n 一旦ガスを止めた後に再度開栓する場合には、ガス会社の人が開栓しなければなりません。自分でしないように。
隣近所とアパート
緊急時にはコミュニティーが一緒になって助け合いましょう。
n 隣近所の人たちと非常時にはどのよう助け合えるかを話し合いましょう。
n パワー・ジェネレーターなどの特殊な機械を持っている人、医学的知識を持っている人などが居るかどうかを把握しましょう。
n 高齢者や身障者の隣人を誰がチェックするか決めておきましょう。
n 自分が家に戻れないことを想定し、子供のためのバックアッププランを用意しておきましょう。
n コミュニティーとしての良い対策案を作成し、事前に話し合っておくことは非常に大切です。
走行中の自動車の中
n 自動車の運転が困難な場合は、車を道路脇に停め、駐車ブレーキをかけましょう。
n 道路状態が不安定な場合は、高架路、橋、電線、標識を含む危険物を避けましょう。
n 電線が切れて自動車に落ちてきた場合は、電気ショックを受ける危険性がるので車中に留まり、専門家による救助を待ちましょう。
n ラジオを聴き最新の情報と指示を得るようにしましょう。
高層ビルの中
n 一番近い非常出口を知っておくこと。
n 最初の非常出口が塞がれて避難が出来ない場合に備え、他の非常口も知っておく。
n 落下物がある場合は机やテーブルの下に潜る。
n ファイル・キャビネットや書棚など、倒れる危険性のある場所から離れる。
n 窓などのガラスから顔を背ける。
n 外壁から離れる。
n 屋内に留まるか、避難するかを判断する。
n 指示を聞き、それに従う。
n 避難する場合は、汚染されていないことを確認し「非常用備蓄品一式」を持って出る。
n エレベーターは使用しない。
n 非常階段は右に沿って降り、昇ってくる救助隊の妨げにならないようにする。
生物性物質による攻撃の脅威
生物性物質攻撃とは、病気の元となる細菌やその他の生物性物質を故意に放散することです。これらの物質は、吸い込んだり、皮膚の傷口から侵入したり、飲み込んだりすることで病気をもたらします。生物性物質には炭疽菌のような伝染性の無い物と、天然痘ウイルスのように人から人へと伝染するものがあります。
生物性物質の攻撃が確認された場合
生物性物質攻撃は、爆発と違って、すぐに分かる場合と、そうでない場合があります。
実際に生物性物質による攻撃があった場合に、保健所などから直ちに対策方が通知されるとは限りません。はっきりした症状の把握、治療方、誰が危険かなどを決定するには時間がかかります。テレビを観、ラジオを聴き、インターネットをチェックして公式情報から以下のことを得るようにしましょう。
n 指定された危険区域はどこなのか
n 病気のサインや症状は何か
n 薬またはワクチンの配給がされているかどうか、されていれば何処で入手できるのか
n 病気にかかった場合はどこで治療を受けられるか
自分を守りましょう:
自分の周辺で不審物質が放出されたと感知した場合は、まず、その場から遠ざかること。呼吸が出来る程度に布製の物を重ねて口と鼻を覆いましょう。例えば綿のTシャツ、ハンカチ、タオルなどを2、3枚重ねて利用する。またはティッシュ・ペーパー、ペーパー・タオルを何枚か重ねて利用する。水と石鹸で洗い対策機関へ連絡する。
化学兵器攻撃の脅威
化学兵器攻撃とは、人体に有害なガス、液体、固形の毒物を放出することです。
化学兵器攻撃と思われる兆候
n 多くの人が涙っぽい眼をしたり、痙攣を起こしていたり、息を詰まらせていたり、呼吸困難に状態になっていたり、ふらふらしていたりする。
n 大量の病気の鳥または鳥、魚、小動物の死骸などの発見は化学兵器攻撃があった可能性が高い。
化学兵器攻撃の兆候を発見した場合は
n 可能であれば、即座に被害の範囲と思われる場所の推定をし、毒物がどの方向から流れているかを判断する。
n その場から離れる。
n 毒物が建物の中にある場合は、可能な限り汚染された場所を通過せずに屋外へ出る。
n 外へ出ない方が良いと判断した場合は、毒物が放出されたと思われる場所から可能な限り遠ざかり、屋内避難所へ避難する。
n 屋外に居た場合は、即座に最適な避難方法を考える。汚染地域からの脱出または屋内避難を判断する。
すでに自分が汚染されたと思われる場合は
涙が出たり、肌がチクチクしたり、呼吸困難になったりしたら、既に毒物に汚染されたと考えられます。
n 毒物に汚染されたと思ったらすぐに衣服を脱ぎ、身体を洗いましょう。
n 水道口、噴水その他の水源を捜し、可能なら石鹸で洗いましょう。その際は毒物の皮膚下浸透を避けるためにあまり擦らないようにして洗いましょう。
n 緊急医療手当をうけましょう。
爆弾
爆破攻撃があった場合は
n 机やテーブルなどで身体を守る。
n 出来るだけ早く屋外へ出る。
n エレベーターは使用しない。
n 火災などの危険の有無を確認する。
n 時間が有る限り非常用備蓄品一式を持って逃げる。
火災が発生した場合は
n 出来るだけ早く屋外へ出る。
n 煙がある場合は床を這うようにして逃げる。
n 可能ならば、濡れたハンカチや布で口と鼻を覆う。
n 閉まっているドアを開ける場合は、手の甲を使ってドアが熱くないかどうかを調べる。
n ドアが熱くなかったら、足を踏ん張りながら、ドアをゆっくり開ける。
n ドアが熱かったら開けずに他の脱出法を考える。
n エレベーターは使用しない。
n もし衣服に火が付いた場合は、走らず立ち止まり転がって火を消す。
n 自宅に居た場合は事前に決めてある集合場所へ行く。
n 家族の確認をし、幼児をしっかり管理する。
n 燃えている建物の中には絶対に戻らない。
崩壊した建物などの残骸に生き埋めになった場合
n 可能ならば、懐中電灯を点滅して救助隊に知らせる。
n 粉塵を蹴散らさないように不必要な動きをとらない。
n 手元にあるもので鼻と口を覆う(密に織ってある綿は有効なフィルターの役目をする。必ず鼻と口を覆った素材を通して呼吸をすること)。
n パイプ、壁などをたたいて救助隊に自分の位置を知らせる。
n 可能ならば、ホイッスルを使い救助隊に知らせる。
n 大声を出して叫ぶのは致死量の粉塵を吸い込む危険があるので、最後の手段とする。
核爆発の脅威
核爆発は、強烈な光、熱、衝撃波を伴い、広範囲の空気、水、地表を汚染する放射能を伴います。テロ専門家の意見では、現段階で核爆弾が使用される確率は他の爆弾に比べ極めて低いです。しかしながら、テロリストは予期出来ない攻撃をする可能性があります。
放射線攻撃
放射線攻撃または“Dirty Bomb/汚い爆弾”とは、通常の爆発物を利用して放射線物質を限定地域にまき散らす爆弾です。核爆弾とは違って爆発の衝撃や放射線汚染範囲は限定されます。爆発の感知は容易ですが、放射線汚染度は特別の機械を使用する専門家が調べるまでははっきり分かりません。しかし放射線にさらされる時間を最低限にすることが大切です。
核爆発、放射線攻撃があった場合は
n 可能な限り地下へ避難するのが最適ですが、まず、衝撃波などから身を守れる物の中に避難しましょう。
n 素早く状況判断をしましょう。
n その地域から避難するか屋内の避難所へ避難した方が良いかを考えましょう。
n 放射能を浴びる量を少なくするため、防御物の利用及び距離と時間を考えましょう。
Ø 防御物:分厚い盾のような防御物は、放射能を吸収し、そこに身を隠せば、放射能を浴びる量を減らすことができます。
Ø 距離:爆発場所から遠ければ遠いほど、放射能を浴びる量は少なくなります。
Ø 時間:放射能を浴びる時間が少なければ少ないほど、危険は少なくなります。
その時点で得られる情報で状況判断をしましょう。放射能汚染度が高度な場合、保健機関はヨウ化カリウム(Potassium Iodide)の服用を指示するかも知れません。これは放射能汚染に最も弱い甲状腺を守る効果がある場合があります。非常用備蓄品一式の中にヨウ化カリウムを入れておき、家族1人1人にあった服用量を調べておきましょう。何が自分の家族に最適かを事前に医者と相談しておきましょう。(了)