新年の御挨拶

令和6年1月5日
前田総領事

新年を迎えるに当たり、一言御挨拶申し上げます。

 

まず、1月1日に発生した能登半島地震によって、不幸にして命を落とされた多くの方の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族の方々、及び、依然として避難を余儀なくされるなど困難な状況にある方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 

私が、一昨年11月に当地に赴任してから、2回目の年明けを迎えました。

 

ジョージア大学アメフト・チームの2連覇と管轄3州の知事就任式で始まった昨年は、2月のジョージア州議会上下両院における日本関連決議の採択を皮切りに、一年を通じて各地での政治、経済、文化、教育関係の様々な行事に出席させて頂くとともに、日本とアメリカ南東部との関係強化、交流促進に尽力されている日本の方々、アメリカの方々と直接お話をすることができました。こうした機会を通じ、日本と南東部との緊密な交流がいかに地域に根ざす人々の信頼関係と友好の上に築き上げられてきたかを強く認識しました。

 

そうした中、昨年秋にアラバマを訪れた折、バーミングハム市立図書館で「ミス岩手」という日本人形を拝見する機会を頂きました。これは、1920年代に日米の友好親善促進を願いアメリカから寄贈された「青い目の人形」の答礼としてアメリカに贈られた日本人形の一つであり、計58体の人形が海を渡って全米の各州と大都市に届けられたそうです。その後も、私はノースカロライナでは自然科学博物館で、またジョージアでもアトランタ歴史センターで、それぞれ「ミス香川」と「ミス名古屋」に対面させて頂きました。100年近く前に渡米した人形が、戦争など幾多の苦難を乗り越えて、こうして日米友好の証として大切に維持されてきたのを目の当たりにし、今に至る日本と南東部との歴史に改めて思いを馳せるとともに、この関係を構築するために先人たちが払ってきた努力に心から感銘を受けた次第です。

 

そして、本年は、当館開設50周年という記念の年です。1月23日のジョージア州議会議事堂で行われるジョージア日本議会コーカス主催「Japan Day」を皮切りに、一年を通じて様々な行事が各地で実施される予定です。この機会を捉え、当館としても、昨年にも増して、日本との経済面・投資関係の更なる発展、姉妹都市交流を含む人的交流・文化交流の促進に取り組み、当地との幅広い関係の一層の強化に努めるとともに、改めてアメリカ南東部に「日本」を積極的に売り込んでいく考えです。職員一同、皆様を始め関係の方々が長年に亘って培ってこられたアメリカ南東部との信頼関係を胸に、日々の業務に邁進していく所存ですので、引き続き皆様の御支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

 

そして、こうした関係強化・交流促進を確実に進めるためには、在留邦人の皆様が安心して日々の暮らしをお過ごしいただけることが大前提となります。私どもとして、引き続き質の高い領事サービスを提供してまいりますので、皆様におかれましても、日々の生活でお困りごとなどがあれば、いつでも在アトランタ日本国総領事館まで御連絡ください。

 

最後になりますが、日本における能登半島地震の被災者の方々が一刻も早く平穏を取り戻されることを、また、皆様の今年一年の御健康と益々の御発展をお祈りして、私の挨拶とさせていただきます。

 

令和6年1月

在アトランタ日本国総領事

前田 未央