前田総領事からの挨拶

令和7年1月1日
前田総領事

皆様、新年明けましておめでとうございます。


 旧年は、当館にとり設立50周年という節目の年に当たりました。私どもとしては、一年を通じ、管轄内各地においてより多くの人に「日本」を感じてもらえるよう、そして、過去50年にわたる日本と米南東部との友好親善関係を再認識してもらえるよう、様々な行事を開催したほか、日本関係団体等の主催した関連イベントにも参加させて頂きました。また、昨年は、当館のみならず、ジョージア日本語補習校のほか、日本企業の中にも50周年、あるいは各々の周年を迎えられた方々がおられました。そして、それぞれが各々の周年行事や記念式典などを主催され、当方も同席し一緒にお祝いさせて頂く機会を頂戴することもありました。


 そうした中、私個人としては、当館管轄各地で可能な限り日本のプレゼンスを示すことが出来ればと思い、なるべく多くの機会を捉えて積極的に管轄内を訪問することに努めてきました。その結果、2024年一年で、アラバマに6回、サウスカロライナには私的旅行も含め7回、ノースカロライナについては13回、それぞれ訪問することが出来ました。この場をお借りして、こうした各種イベントや周年行事等の開催に携わられた方々、また、当方の訪問に際しお世話になった方々に対し、改めて心より御礼を申し上げます。


 今振り返ると、記念すべき50周年は、1月のジョージア州議会議事堂でのJapan Dayに始まり、6月の50周年記念レセプション、9月のアトランタでのJapanFestなど、様々な心に残る行事が行われたと思いますが、中でもハイライトとなったのは、やはり4月の岸田総理夫妻の訪米とその際のノースカロライナ訪問であったかと思います。ワシントンDCでの公式行事では、両首脳が日米協力の重要性を改めて確認するとともに、両国は、法の支配に基づく国際秩序を維持、発展させ、国際社会に繁栄と安定をもたらす真のグローバル・パートナーとなっていることで一致しました。そして、ノースカロライナでは、クーパー知事始め多くの人々の心温まる歓迎を受けました。岸田総理夫妻の歓迎昼食会が知事公邸で行われましたが、同知事によれば、岸田総理は同知事公邸を訪れた最初の外国政府首脳であった由です。


こうした様々な機会を通じて、心から実感したのは、現在の日米関係が歴史上最も良好な時期にある、そして、様々な困難に直面する国際社会を見据えた時に、この良好な日米関係は、今後ともより強固になりこそすれ、弱まることはないであろう、ということです。そして最も大事なことですが、それは、日米関係が政府間の関係に依拠しているのではなく、経済関係や文化関係を含む草の根レベルでの両国の人々の信頼と交流の歴史の上に成り立っているからだと確信しています。これまで日米関係の促進に色々な形で貢献されてきた皆様に改めて謝意と敬意を表したいと思います。


 本年は、乙巳(きのとみ)です。ネットで検索すると、巳年は「復活」と「再生」、新しいことが始まる、実を結ぶ年といわれるそうです。そして、乙巳は、多くの人にとって成長と結実の時期、今までの努力や準備が実を結び始める時期とのことです。


 新年を迎え、当館としては、次の50年を踏み出すに当たり、これまで50年以上にわたり多くの先達が築いてこられた友好と協力の基礎の上に立ち、日本と米南東部との緊密かつ良好な関係を更に成長させ、立派な実が結ぶよう、一層尽力して参る所存ですので、引き続き皆様の御支援と御協力を賜れれば幸いに存じます。また、皆様におかれては、何かお困りのことなどございましたら、何時でも当館に御連絡頂ければと思います。


 末尾ながら、2025年が皆様にとってよい年となりますよう祈念致しまして、新年の挨拶とさせて頂きます。


令和7年1月1日
在アトランタ日本国総領事
前田 未央